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コロナ禍で、換気の重要性が再認識されたような気がしますが、それ以前から、建築物の換気の必要性に注目が集まり、法律の中でも建物の換気性能について定められるようになりました。勿論、専門的なことは、設備関係の業者さんや設計士さんなどが責任を持って、対応していくことになると思いますが、今回は、簡単に必要換気量の計算方法を紹介させていただきます。安全で快適な生活をしていく上で、必要なことなので、頭の片隅にでも置いておいていただければと思います。
窓をあけると部屋の中の空気が入れ替わり、リフレッシュできたように感じられると思います。では、その逆に、換気が十分でない場合、どのようなことが起きてしまうのか具体的に見ていきます。
気密性の高い部屋で換気が行われずにいると、次のようなことが起きているかもしれません。
・酸素の濃度が下がり、二酸化炭素等の濃度が上がる。
・室内のホコリや菌の密度が増える。
・湿度が上昇する。
勿論、どれも中にいる人間にとって有害なことばかりです。
特に、空気中の細菌は、湿度が高いほど繁殖しやすくなりますから、風邪をはじめとして色々な病気にかかりやすくなります。
〇何故、換気に注目が集まるようになってきた?
では、何故、コロナ禍以前から換気に注目が集まっているのでしょうか。
それは、健康に対する意識の高まりもありますが、住宅をはじめとする建築物の構造が変わってきているからです。
簡単に言うと、昔の建物に較べて「気密性が高くなった。」ということです。
これは勿論、断熱性能が高くなるといったメリットはあるのですが、同時に換気性能を損なうことになります。
昔の家は、隙間から風が入ったりして冬は寒いかもしれませんが、常に空気が入れ替わり、健康的な面も持ち合わせていたということです。
また、「シックハウス」という言葉があるように、建築時に使われる接着剤や建材、家具等から一定期間発生する有害ガスの存在も無視することはできない問題となり、換気性能についての基準が建築基準法等で定められるようになりました。
〇必要換気量の計算方法を紹介!
換気の重要性等について見て来ましたが、最後に、簡単にですが必要換気量(㎥/h)の計算方法を紹介しておきます。
・一人当たりの占有面積から計算
20×居室の床面積÷1人あたりの占有面積
(20は成人男子が座っている場合の二酸化炭素の排出量になります。)
・シックハウス対策に基づく換気量
1時間当たりの換気回数×居室床面積×天井高
(換気回数 住居の居室等:0.5以上、非住宅系:.3以上)
・居室以外の必要換気回数に基づく換気量
1時間当たりの換気回数×部屋の体積
(換気回数 トイレ、洗面所:5~15、浴室:5回等)
・室内の空気の汚染濃度に基づく換気量
汚染物質発生量(㎥/h)÷(許容汚染物質濃度―外気汚染濃度)
・厨房機器の性能に基づく換気量
家庭用電化厨房機器 ミニキッチン:200㎥/h
一般家庭用:300㎥/h
業務用:30×定格消費電力(kW)
・理論廃ガス量から算出
X×燃料の理論廃ガス量×燃料消費量
(X 排気フードがない場合:40等換気方式、種類によって定められています。)
以上のような計算式から換気量を算出し、換気設備の設計をしていくことになります。
私達、下町工務店ではリフォーム等のご相談でも、快適なだけでなく健康的な毎日を過ごしていただくために、このような見えない部分にも気を配らせていいただいているつもりです。
「リフォームをしてから、身体の調子がよくなった気がする。」そんなリフォームを目指して、日々、勉強しておりますので、リフォームは勿論、換気扇の取り換え等、どんなことでもご相談ください。